2022.10.14
善仁会グループでは患者さまの安心とQOL(生活の質)向上のために、より質の高い医療の提供を行えるよう、グループ全体で日々研鑽しております。
今回は、患者さまからご質問の多い「胸部エックス線撮影」について、Q&A形式でご説明いたします。
Q1. 何故、月に1回胸部の写真を撮影する必要があるのですか?
A1. 当グループの大半の施設では、月に一回、胸部エックス線撮影を行っています。
第一の目的として、透析患者さまのドライウェイトの判断基準となる「心胸郭比(CTR)」を測定するためです。
Q2. 心胸郭比(CTR)とは何ですか?
A2. 肺(胸郭)の大きさに対して、心臓の大きさはどのくらいなのかを測定します。パーセント(%)で表現します。透析患者さまのCTR(%)は、女性53%以下、男性50%以下が一般的な目安となります。
※心胸郭比の詳しい説明は、下記のコラムにもございますので、ご参考になさってください。
胸部レントゲンについて 心胸郭比(CTR : Cardio-Thoracic Ratio)
Q3. CTRが目安以上の値になったらどうなりますか?
A3. CTRだけではなく、ほかの検査結果や症状などから判断して、適正な透析条件に変えます。毎回、同じ条件で透析を行っていても、体重やそのほかの身体の変化から適正な透析条件ではなくなる可能性があります。そのために、定期的に胸部エックス線撮影などさまざまな検査をして調整をする必要があります。
※ドライウェイトの詳しい説明は、下記のコラムにもございますので、ご参考になさってください。
ドライウェイトのお話(1)
Q4. 撮影時は衣服を脱ぐべきですか?
A4. 服を脱ぐことに対して抵抗がある方もいらっしゃると思います。撮影時に必ずしも服を脱ぐ必要はありませんが、ネックレス、ボタン、金具やプラスチック、厚めの刺繍やデザインマークのプリント部分、肌に貼るタイプの磁気治療器や使い捨てカイロなどは撮影をすると、肺の中に陰影となって写ります。
Q5. ボタンなどが画像に写ると問題があるのですか?
A5. ボタンなどの陰影が写ってしまうと、医師が写真をみるときに、正しい判断ができません。そのような場合には、もう一度撮影しなおす必要あります。ですから、正しい判断ができるように、適切な条件で撮影を行うことがもっとも効率がよいと考えます。服を脱ぐことが面倒な場合は、撮影日には適切な服装でお越しいただけると、撮影時間も短く終わり、患者さまご自身のご負担の軽減になります。
当グループの診療放射線技師は患者さまに対して、最低量の被ばくで最高の画像を撮影できるよう努めております。
ご理解ご協力のほど、何卒どうぞよろしくお願いいたします。