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医療トピックス

2017.3.23

胸部レントゲンについて 心胸郭比(CTR : Cardio-Thoracic Ratio)

吉祥寺あさひ病院
副院長 安田 隆

普段、皆さまが定期的に撮影している胸部X線画像の所見から得られる情報の1つに心胸郭比(CTR;シー・ティー・アールと呼ばれます)があります。このCTRはドライウエイト(透析終了時の目標体重)を適正に維持するための判断材料の一つです
ドライウエイトは体内の細胞外液量を適正に維持し、心臓をはじめとした循環器系に余分な負担をかけずに、長期にわたり快適な生活を維持するための体重です。細胞外液量は体内の水分で細胞の内にあるものを除いた水分量で、血管の中にあるものと血管の外側の間質と呼ばれるところにあるものがあります。間質の水分が増えるとむくみを生じます。血管の中の水分が増えると血圧が上昇して心臓の負担が増し、減ると血圧が下がりめまいなどの症状を生じます。したがって、細胞外液量は常に適正に維持する必要があります。細胞外液の水分は原始の海と同じ濃度の塩水です。生理食塩液(0.9%食塩水)とほぼ同じ濃度で、口渇刺激による飲水量の調節で常に一定濃度に維持されています。ですので、塩をとると喉が乾き、一定の濃度の塩水となるまで水を飲んでしまうため、細胞外液量が増えて体重が増加します。体重増加の一番の要因はこの塩水の蓄積です。ドライウエイトは体重全体ですので、筋肉量や体脂肪の量が変化した際にも、細胞外液量を適正に保つために修正が必要となります。

ドライウエイトを評価する際には、血圧やむくみの状態などとともにCTRが利用されます。CTRは胸部正面X線画像での心臓の幅と胸郭の幅の比率です(図1)。男性では50%以下、女性では55%以下が適正とされています。細胞外液量が多くなると血管内の水分量が多くなり心臓も大きくなってCTRが増大します(図2)。しかし、もともと心臓に病気があって心臓が大きい場合には無理に適正な値にすることはできません。心臓の大きさは個人個人違うものですから、経時的にどのように変化しているのか、また撮影したときの体重やそのときの状態を考慮して、ドライウエイト設定の判断材料のひとつにしています。
皆さまも是非、ご自身のCTR、その撮影時の実際の体重とドライウエイトの経過を表としてお持ちになり、ご自身の体調を参照の上、スタッフとともにご自身の適切なドライウエイトを考えて下さい。