MENU 使い方
ガイド

私たちは、患者さま、お客さまへ
トータルサービスを提供する
医療・福祉グループです。

文字サイズ
標準
背景色

採用情報

CLOSE

お役立ちコラム

透析患者さまの栄養と食事

2024.5.20

巡回栄養指導の役割と透析患者さまの栄養管理のポイントについて

ひがし青梅腎クリニック
院長 小池 鈴華

管理栄養士は、透析患者さまや食が細くなった方などお一人おひとりにあわせて、専門的な知識と技術を持って栄養指導・管理を行う国家資格者です。善仁会グループの透析施設では、その管理栄養士が定期的にクリニックを訪れる「巡回栄養指導」という活動を行っています。

みなさまは、医師をはじめとするスタッフに食事について質問した際、物足りなさを感じたことはありませんか?
このメニューを食べてみたいけれどリンやカリウムの量は大丈夫なのか、どんな風に調理したらいいかなどについて、知りたいと思ったことはありませんか?

透析では治療方法の特性上、アミノ酸やタンパク質など必要な栄養素を喪失しやすく、また炎症性サイトカインの影響により、体内では異化亢進が生じて筋肉を分解していきます。筋肉や脂肪などのタンパク質やエネルギー貯蔵が減少し、運動不足や神経機能や加齢なども加わり、透析患者さまは低栄養状態になりやすい傾向があります。心血管疾患などの合併症や日常的な動作の低下の原因となりますので、適量な栄養をとる必要があります。食事制限の基準ではカリウムは2,000mg/日未満、リンは15×タンパク質(g)mg/日未満、塩分6g/日未満等があります。リンやカリウム値の上昇程度により吸着薬の内服調節をしますが、実際の食事にはどのくらい含まれているのかイメージが難しいと思います。

そのような時に管理栄養士は、それらの疑問について解決する強い救世主になります。恥ずかしい話ですが私は料理自体が得意な方ではありませんし、味付け方法にも自信はありません。管理栄養士に相談すると「この食品にはリンがどのくらい含まれていて」「このくらいなら何kcalぐらいで」と即座に的確なアドバイスをもらえるので、皆さまはきっとその知識の深さに驚かれるかと思います。

栄養に向き合うことで、内服薬調節だけではなく、「食事」という生きる源が輝き、日々の楽しみの一つとなるでしょう。ご希望があれば、1〜2カ月に一度担当の者がクリニックへ伺いますので、食事についての疑問などがあれば、ぜひ管理栄養士にご相談ください。