2021.12.29
透析患者さまの食事療法のひとつとして、塩分・水分のコントロールがあります。摂取した塩分・水分は排泄できず体内に溜まり、体重を増加させ、高血圧や浮腫、心不全の原因となりますが、1回の透析で除去できる水分量には限界があります。そのため、透析間の体重増加量を抑える必要があります。食事内の水分量と飲水量をコントロールするためには、塩分のコントロールが大切です。
今回は食塩摂取量が多くなる食品についてご紹介します。
食塩を多く含む食品
◆漬物類
◆加工食品(ハム・ウインナー・ベーコン・さつまあげ・ちくわ など)
◆魚の干物
実は食塩が多く、注意が必要な食品
◆だしの素・白だし
◆薄口しょうゆ・甘口しょうゆ
◆「うす味」「うす塩味」と記載された菓子類:味覚の表現のため実際に食塩量が少ないとは限らない
主食で食塩が多くなりやすい料理
◆お寿司:酢飯自体に塩分が含まれている
◆丼物:ご飯にタレがしみ込んでいる場合が多く、食塩量は3~6g
◆麺類:食塩量3~7g 汁を残したとしても1.3g程度
透析患者さまの1日の食塩摂取量は6g未満が基準とされています。上記食品の摂取頻度や調味料の使用頻度を減らし、食塩摂取量が多くならないようにしましょう。また、購入時に栄養価の表示を見て、どんな食品にどれくらいの食塩が含まれるのかを把握しておくことも大切です。
【お役立ちクイズ:こんなときはどっち?】
食塩調整食品は数多く出回っていますが、表現方法がさまざまなのはご存知でしょうか。「塩分控えめ」「塩味控えめ」食塩量が少ないことが分かる表記はどちらでしょうか。
(答えは次回の栄養部だよりでお伝えいたします)
「ビタミン・ミネラルの話」でのクイズ
「ごはん VS 主食」エネルギーが高いのは?
答え:エネルギーが高いのは「ごはん」
・ごはん1杯(180 g):320 kcal > 豚もも肉(脂身つき)(90 g):165 kcal
偏った食事内容にならないよう、バランスのよい食事を心がけましょう。