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医療トピックス

2023.3.24

巡回シャントエコーの目的と善仁会グループの取り組み

横浜第一病院
バスキュラーアクセスセンター
センター長 笹川 成

巡回シャントエコースタッフは、グループ内施設を日々巡回しています。

理学的所見と言う言葉を耳にされたことがあるでしょうか? 医師や看護師、臨床工学技士は皆さまのバスキュラーアクセスを視診(見る)、聴診(音を聞く)、触診(触る)ことで血管やカテーテルの状態を確認し、もし異常があればバスキュラーアクセスセンター(以下、VAC)に紹介していただいています。
しかしながら皮膚の上からこれらの状態を評価するのは十分な経験を積んでいないとなかなか困難です。

 

 

 

表在超音波検査とは、小さな機械(プローブ)で皮膚に7~12MHzの超音波を当て、反射した超音波を画像に変換したり、血流に色をつけて表現したり、血流量や血管の流れにくさを数値で表してくれます。超音波検査で評価できるものは大きく分けて「形態」と「機能」になります。

「形態」とは シャント(内シャント、人工血管)や上腕動脈表在化では、穿刺する血管の太さ、走行、深さ、壁の厚さ、血管の内腔の状態、枝、太い神経を確認できます(残念ながら鎖骨の下までしか追うことができません)。カフ型カテーテルでは、出口部から血管に入るところまで観察することができます。
「機能」とは シャントが血液透析に十分使用できる血液が流れているか、また流れにくさを数値に表し、閉塞の予測を行うことができます。

巡回シャントエコーは2013年より開始し、現在臨床工学技士9名(2名は臨床検査技師の資格を有する)が皆さまのクリニックを巡回しております。そしてバスキュラーアクセスの形態、機能を評価し、クリニックのスタッフに向けたレポートを作成し、穿刺のアドバイスも行っています。昨年一年間(2019年)で5,701件の検査をグループ内のクリニックで行っています。また狭窄、血腫、閉塞等を見つけ、必要があればVACへの紹介も行っています。高齢化等で検査のために病院に向かわれるのが大変な方も、技士が巡回することで血管評価ができます。今後も巡回シャントエコーをより増やすことで穿刺ミスや閉塞を少なくし、快適に透析治療を受けていただくのが善仁会グループの目標です。ご自分の血管の状態や穿刺にご不安がある場合は、クリニックスタッフにお気軽にご相談ください。