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医療トピックス

2021.10.13

医療放射線管理室の取り組み③

医療放射線管理室 室長 
黒木 正幸

善仁会グループでは患者さまの安心とQOL(生活の質)向上のために、より質の高い医療の提供を行えるよう、グループ全体で日々研鑽しております。
今回は、医療放射線管理室で行っている「医療被ばく低減に向けた取り組み」についての主な活動をご紹介いたします。

「放射線被ばく」はもちろんない方が良いですが、現在、医療の現場では放射線による画像診断がなくてはならないものになっています。病気やけがを迅速かつ正確にみつけることができるという患者さまにとってのベネフィット(利益)が被ばくによるリスクを上回る場合にのみ、必要な検査を行うようにしています。

放射線を用いる画像診断検査において照射するX線量が増えると、それに比例して被ばくの量は増えます。デジタルX線画像ではX線量が少ないとノイズの多い画像となり、照射する量が増えるにつれて画質が良くなっていきますが、ある程度のX線が照射されると画質は一定に調整され、それ以上は診断性能は良くなりません(上図参照)。

そこで、当グループでは患者さまにとって、最も少ない被ばく量で診断可能な画像の提供ができるように取り組んでいます。検査時に最低量の被ばくにとどめるために、放射線発生装置における適正条件の見直しを定期的に行い、過剰な被ばくにならないように管理しています。
例えば、CT検査では診断に必要な画質は維持しながら、体格に合わせて自動で最低量の放射線で撮影を行うことが可能な装置を使用しております。一般撮影検査(レントゲン撮影)では、デジタル撮影を行うことで、少ない放射線量での撮影が可能になり、照射野(X線が出る範囲)をできるだけ絞ることで不必要な部位への被ばくをなくすようにしています。

 

職員に対しての取り組みとしては、放射線を使用する検査、治療に関わる職員の放射線障害の発生を防止することが第一です。放射線診療従事者の放射線障害発生防止のために、放射線診療従事者の登録管理、個人被ばく管理、放射線特殊健康診断の実施と記録、放射線安全教育の実施を行っています。また、プロテクターや防護眼鏡などでの被ばく防護用品の着用を強化しています。

そして、公共の安全確保のために、放射線発生装置の定期自主点検、検査、放射線管理区域境界等の線量測定、環境測定などの総括管理も行っています。放射線発生装置が設置されている施設の周囲に放射線の漏洩がないか、使用している装置の故障などがないか定期的に点検を行っております。