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医療トピックス

2021.7.29

医療放射線管理室の取り組み②

医療放射線管理室 室長 
黒木 正幸

善仁会グループでは患者さまの安心とQOL(生活の質)向上のために、より質の高い医療の提供を行えるよう、グループ全体で日々研鑽しております。
今回は、「放射線の被ばく線量と健康への影響」について、ご説明いたします。

■放射線被ばくとは?
「放射線被ばく」について、皆さまはどのようなイメージをお持ちですか?
被ばくしたらずっと放射線が身体に残って消えず、身体に溜まっていくものなのでは?
何度も放射線にあたったら障害がでてしまうのでは?
昨日、今日と連日で検査したら病気になってしまうのでは?
放射線ってなんだか怖いなど、さまざまなイメージをお持ちの方がいらっしゃるようです。過去の原子力発電所の事故などが想起されるためか、目で確認することができず、無味無臭で、X線検査を受けても痛みがないことなどからも、わからないものに対する不安がこのような誤解を与えたのかもしれません。

医療放射線での検査については、
●検査で被ばくしても身体に放射性物質が蓄積されたり、永久に残留することはない
●胸部のレントゲン撮影は、1年間に1,000回しても異常は出ない
●1日にCT検査やX線検査、胸部レントゲン検査、PTA検査などの検査を連続して行っても、身体に異常が出ることはない
●通常の検査で被ばくをしても放射線障害は起こらない
と言われています。

被ばく線量の比較(早見図) 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料 平成28年度版」

 

当グループ施設での医療放射線検査、たとえば、CT検査、一般撮影検査、マンモグラフィ、胃のX線健診、血管造影検査(PTA)等については、身体に影響が出るとされる線量よりもはるかに少ない線量で検査を行っております。

続いて、医療放射線管理室で患者さまからよくいただくご質問について、ご紹介いたします。

Q1.放射線検査をしたら、ずっと体内に蓄積されていくものですか?
A1.医療で使用される放射線の被ばくは、太陽の光を浴びるのと同じように、放射線が身体を透過し体外に出ていくため、体内に蓄積することはありません。透過する際に損傷を受けた細胞も、自然修復するとされています。

Q2.1日に何度も胸部のレントゲン撮影をすることがありますが、身体に影響はないのでしょうか?
A2.1回の検査で撮影回数の制限はありません。撮影部位や体格によって被ばく量は大きく変わりますが、極めて少ない放射線量で撮影しているため、被ばくによる影響はありません。通常の胸部のレントゲン撮影において、連続で1,700回以上撮影し被ばくするようなことがなければ、身体に影響が出ることはないとされています。

患者さまにおかれましては、ご不安なことがあれば、医師や放射線技師にご相談いただき、ご心配なさらずに放射線検査を受けていただければと思います。
善仁会グループの各施設では、放射線検査をする際には、放射線技師が適切な被ばく線量になるよう調整して実施しています。また、放射線利用の有効性を損なうことなく不必要な被ばくを避け、患者さまの医療被ばく線量を低減するため、これからも努めて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

次回は、「医療被ばく低減に向けた取り組み」についてご紹介いたします。