2022.4.27
いつまでも元気に、自由に過ごせるように!~ 理学療法士の視点から ~
1.運動療法とフレイル
「フレイル診療ガイド2018年版(日本老年医学会)」によると、保存期CKD(慢性腎臓病)の患者さまではフレイルの頻度は5.9~56%と一般の方より高率で、透析患者さまでは13.8~67.7%とさらに高い頻度でフレイルの状態です。透析患者さまのフレイルは死亡や入院の予後と関連すると報告されています。また、フレイルが透析患者さまにとって認知機能や転倒といった老年症候群や高齢者で増加する疾患発生のリスクであることも示されています。
多くの人に会ったり、好きなことをするには、何よりも身体を自由に動かせることが必要ですが、身体的フレイルは外出が難しくなるなど、社会的フレイルの原因にもなります。
2.予防には、運動不足の解消が必要です
フレイルの発症・進行を予防する運動の内容は、レジスタンス運動、いわゆる筋トレとバランス・機能的トレーニングなどを組み合わせる多因子運動プログラムが推奨されています。さらに身体機能改善に対しては、腎臓リハビリテーションでは有酸素運動(ウォーキングや自転車など)を行うことも推奨されています。
3.運動と栄養
運動だけでは筋肉は十分につきません。運動の効果を最大限に発揮するには栄養状態も重要です。どんなに運動をしても栄養が不足すると、身体は運動に必要なエネルギーを筋肉から得ます。そうなると運動した分、筋肉が減少してしまうリスクがあります。適切な運動と栄養摂取が大切です。