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お役立ちコラム

透析患者さまのご家庭で役立つ豆知識

2024.6.13

「シャントの痛み止めテープ」の正しい貼り方

横浜第一病院
看護部 看護師
副主任 森内 美奈子

血液透析は1日おきに針を2本刺す痛みを伴う治療です。痛みを和らげるために痛み止めのテープを利用している方も多くいらっしゃいます。今回は、患者さま・ご家族からご質問の多い「痛み止めテープの正しい貼り方」について、ご説明いたします。

 

❶ 痛み止めテープを貼る前にシャントの腕を全体的に石鹸でよく洗いましょう。洗うことによって菌の数が減り、感染のリスクも減ります。ただし、水分が残っているとテープがはがれやすくなりますので、清潔なタオルで腕についた水分をよく拭きとってください。汗をかきやすい方もテープがはがれやすいので、汗をかいたときはテープの上から絆創膏などで補強するとよいでしょう。

 

❷ 痛み止めテープを貼ってから効果が出るまでに時間がかかるので、透析開始の30分~1時間ぐらい前に貼りましょう。2~3時間前に貼っても効果が減るだけです。

 

❸ 同じ所に繰り返し針を刺すと血管の壁が弱くなり、瘤(こぶ)になったり、止血する力が弱くなります。また、血管が狭くなり閉塞(シャントが詰まってしまうこと)してしまったり、刺しているところから感染する可能性が高くなります。曜日によって針を刺す位置を決める、次回刺す予定のところにしるしをつけてもらうなど、毎回刺す位置を変える工夫をすることが大切です。

 

❹ 皮膚が赤くかぶれたり、前回の針の穴から膿や水っぽいものが出ているときには、テープを貼らずに施設スタッフにお伝えください。

血管は人によってさまざまです。下に掲載したイラストは、貼り方の例ですので、テープを貼る位置について詳しくお聞きになりたい方は、お気軽に施設スタッフへお声がけください。

左手首~肘までの血管を表現したイラストです。手首部分の動脈と静脈が合流している部分に動静脈吻合部(シャント)があります。痛み止めテープは静脈上の穿刺予定部位の上、脱血側・返血側それぞれ一か所ずつに貼ります。血管は人によってさまざまですので、詳細は施設スタッフにご確認ください。【貼り方イメージ】
次回穿刺予定のところに、施設でしるしを付けてもらい、その位置を目安にテープを貼ります。詳しくは施設スタッフにご確認ください。