2020.7.28
Q.東日本大震災や西日本豪雨、北海道での地震や大規模停電時、当地の透析施設や病院は、透析患者にどのように対応したのでしょうか。また、そうした災害時の対応について、善仁会グループではどのような体制を取っているのでしょうか?
A.
災害などにより停電・断水が発生すると透析治療を行うことができなくなりますので、それらの被害を受けていない近隣の施設で治療をお願いすることになります。しかし、それらの施設にも患者さまがいますので、少しでも多くの方が透析を受けることができるように、透析時間を短縮したり、回数を3日に1回に減らすなどの対応がこれまでの災害時には行われています。
東日本大震災においては、被災範囲が広大で近隣での受け入れも不可能なため、主に行政の働きによる遠方への疎開が実施されました。
善仁会グループでは被災施設が限定されている場合は、グループ内施設での調整を試みます。グループ内での対応が難しい場合は、東京都・神奈川県でそれぞれ定められたルートに沿って被害報告をあげ、行政や日本透析医会などの指示を仰ぐことになっています。
Q.災害時の備蓄について、クリニックや病院では、どの程度の物資を備えているのでしょうか? また、社会インフラが機能しないとき、それらの物資でどの程度の期間、医療行為を継続できるのでしょうか?
A.
災害発生時、施設自体は稼動できても、輸送などの問題により透析に必要な医療材料の調達が困難となる事態も考えられます。そのような場合に備えて1週間分程度の医療材料を備蓄しています。また近隣施設間では透析液を統一化しております。そのため他施設での透析が必要となった場合でも共通で使用できますので、薬剤が不足することはありません。しかし、電力・水道に関してはグループ内での調達は極めて困難です。災害規模により、グループ内近隣施設への振り分け、行政等による遠方への移動などが考えられます。