MENU 使い方
ガイド

私たちは、患者さま、お客さまへ
トータルサービスを提供する
医療・福祉グループです。

文字サイズ
標準
背景色

採用情報

CLOSE

お役立ちコラム

よくわかる透析の基礎知識

2026.3.19

気づいていますか? 足の変化 ~足の動脈硬化(2)~

吉祥寺あさひ病院
院長 有村 義宏

透析患者さまに多い足の動脈硬化(下肢閉塞性動脈硬化症)では、血管の壁が石灰化して硬くなり、弾力が失われます。また、血管の内側にコレステロールが溜まり、血管が狭くなるため、血液の流れが悪くなります。その結果、心臓から足への血液がうまく届かず、歩きにくくなったり、傷が治りにくくなったりします。
足の血管の状態を調べる簡便な検査として、図に示すように、ABI(Ankle-Brachial Index:足関節上腕血圧比)検査とSPP(Skin Perfusion Pressure:皮膚還流圧)検査があります。

 

ABI検査では、足関節の血圧と腕の血圧を測り、腕に比べて足の血圧がどの程度かを評価します。正常な場合、足の血圧は腕の血圧より高いですが、下肢閉塞性動脈硬化症では足の血管が狭くなり、血液の流れが悪くなるため、足の血圧が腕の血圧より低くなることが多い傾向にあります。透析患者さまの場合、正常なABIは0.9以上です。ABIが低い場合、心臓から足への血液の供給が不足していることを示唆しています。ただし、血管の石灰化が進んでいる場合、血液の流れが少ないにも関わらず、血管の弾力が失われるため、実際には足の血圧が低いのに血圧が高めに測定され、ABIが高く出ることもあるので注意が必要です。

SPP検査は、足の皮膚にある細い血管の血流を評価する検査です。 足背や足底、足の指に血圧計の帯(カフ)を巻き、血圧を測るように空気で膨らませ圧力をかけて血流を一時的に遮断した後、カフ圧を下げていき、 血流が再び戻る血圧(皮膚還流圧)を測定します。正常値は80mmHg~90mmHg程度で、下肢閉塞性動脈硬化症がある場合は、低い値になります。

ABI検査は主に太ももやふくらはぎの太い動脈の評価に用いられます。SPP検査は動脈の石灰化や動脈硬化の影響を受けにくいこと、足底や足指の細い動脈の血流を評価できるのが特徴です。両方の検査を組みあわせることで広範囲の動脈病変を評価できます。
日本透析医学会は、すべての維持透析患者さまにABIの測定を推奨しています。当グループでも、ABI検査を積極的に行っており、今後はSPP検査についても、必要に応じて実施できる体制を整えていく予定です。