2026.4.13NEW

透析患者さまに多い足の動脈硬化(下肢閉塞性動脈硬化症)は、ひどくなると足が腐り(壊疽)、切断術が必要になることがあります。そこで大切なのは、予防と治療です。
【予防】
足の動脈硬化による潰瘍や壊疽の予防には、表に示す2つの方法が大切です(表1)。
1) 適切な透析管理
食事や薬で血液のリンとカルシウムの値を適切に保つ。血清リンやカルシウムが多いと血管の壁に蓄積し、血管が狭く硬くなります。次にコレステロールを正常に保つことです。過剰なコレステロールは血管にたまり、血管が狭くなります。
2) 適切な生活習慣
禁煙と適度な歩行は、血管を若く保つために大切です。喫煙は動脈硬化のリスクを大幅に高めます。適度な歩行は足の血流を促進します。日頃より足を観察し、傷や足の痛みがないかのチェックは大変重要です。

1)日本透析医学会.慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン.日本透析医学会雑誌2012; 45: 301‒356
【治療】
足の動脈硬化の代表的な治療には、以下の5つがあります(表1、表2)。
1)薬物療法
血液を固まりにくくする薬(主に抗血小板薬)、血流を改善する薬による治療。
2)フットケア
足の保清、保湿、保護(表2)。傷や潰瘍の消毒や腐った部位の除去などの処置。
3)血管内治療
カテーテルで血管を広げる治療。
4)バイパス手術
詰まった血管の前後に別の血管をつないで、新しく血液の通り道を作る治療。
5)レオカーナ治療
新しい治療法で、血液の流れを悪くする悪玉コレステロール(LDL)などを取り除く治療です。この治療は血管内治療やバイパス術が適さない場合や、これらの治療効果が得られなかったときに用いられます。透析器(ダイアライザー)と同じように透析回路にレオカーナ(吸着型血液浄化器)を装着します。原則、週に2回、1回2時間で合計24回行います。透析とは別の日、または同じ日に透析の前や後に行います。

善仁会グループでは、地域基幹病院の循環器科や形成外科と協力して、これらの治療法を組みあわせて行っています。日頃から足を観察し、少しでもおかしいと感じたら、通院中の透析クリニックの医療スタッフにできるだけ早くご相談ください。ご一緒に取り組み、しっかりとサポートいたします。