MENU 使い方
ガイド

私たちは、患者さま、お客さまへ
トータルサービスを提供する
医療・福祉グループです。

文字サイズ
標準
背景色

採用情報

CLOSE

お役立ちコラム

医療トピックス

2019.6.11

4時間以上の透析をはじめて

鶴川駅前クリニック
透析歴6年 N.S

本コラムは、N.Sさまのご寄稿によるものです。
透析時間延長の体験談を発信されたいとのご厚意により、2019年4月にご寄稿いただきました。

はじめに
私は透析を導入して今年で6年目になります。この度は、私が透析時間の延長に踏み切った心境などを少しばかりお話したいと思います。
透析を導入した当初は、週3日4時間の透析に、精神的にも、肉体的にも、慣れるまでに苦労することもありました。
一生お付き合いしなければならない腎不全による人工透析。当然日常の生活に支障がでないよう、生活パターンを透析中心に変えざるを得ませんでした。その辛い透析療法をなんとか前向きに捉え、透析中心の生活を受け入れ始めたのは、透析を導入してから半年が過ぎた頃かと思います。

「人工透析」を理解する
最初に取り組んだのは、人工透析とはどのようなものなのかを、具体的に理解することからでした。毎日の食事内容や水分の摂取などは制限を設けて自己管理をしなければならず、中1日や中2日の体重管理(ドライウエイト:DW)なども細かくチェックし、透析と長く付き合うためには、何が良くて、何が悪いのかについて調べたりもしました。ときには、頭では理解しているものの欲求に負けてしまい、水分の摂りすぎによるDWのオーバーや、リンの数値のオーバーなどで、特に中2日明けの体重測定や血液検査に帳尻を合わせるために大変な苦労もしました 笑 。
また、その頃は透析も終了間近になると血圧が低下して辛い思いもしましたし、透析療法とはこんなにも大変なものなのかと、考え込んだりもしました。

5時間透析をはじめて
そんな時に、透析の時間延長で血圧の低下を緩和できると、クリニックのスタッフの方から話があり、当クリニックでも透析時間の延長を推奨しているとのことでしたので、詳しい説明を聞くことができました。
長時間透析では時間をかけてゆっくりと除水するので、心臓に負担なく緩やかに透析量を増やすことができ、血圧の低下も緩和できるとの話でした。すぐさま私は4時間だった透析時間を5時間に延長することにしました。

私の感じた5時間透析の効果
毎回の透析時間を延長することによって効果はすぐに現れ、5時間透析を始めて一カ月足らずで透析後の血圧の低下が起こらなくなり、また、直後の身体の疲労感も緩和され、帰宅してからの倦怠感もほとんどなくなりました。今までは身体のかゆみにも悩まされましたが、そのかゆみも減少しました。
そしてなにより驚いたのは血圧が正常値に近くなり、血圧降圧剤の服用をやめることができたことでした。透析時間1時間の延長が透析効率を高めるということで、血液中の尿酸などの毒素成分が除去されているのが数値として現れたことで、実感できています。

おわりに ~私の透析時間延長~
4時間透析から5時間透析に変更し、透析時間が1時間延びるということは、不自由な状態が5時間も続くわけですから、心理的な不安や肉体的にも辛く感じる場合もあるかと思います。しかし、私の場合は5時間透析を前向きに考え、透析中の苦痛にくらべ、透析後の苦痛から解放されることを選んだわけです。
その結果、血液中の毒素の除去効率が高まることで身体が楽になり、食事の内容も今までに比べ、ある程度緩和することもできました。今まで受けた5年間の4時間透析から比べると5時間透析に切り替えたことで、透析後に身体の「楽」を感じ、生活の質も変えることができたのですから、透析時間の延長を決めて本当に良かったと思います。

最後に、日々ケアをしてくださる医療スタッフの方々へ、心より感謝をする次第です。

 

 

善仁会グループの機関誌 ふれあい

「ふれあい」では、人工透析患者さまとそのご家族、医療スタッフとのふれあいを図り、透析に関する知識や栄養、制度などの情報を発信しております。

No.213No.218 でも、4時間以上の透析について取り上げておりますので、ぜひご覧ください。