MENU 使い方
ガイド

私たちは、患者さま、お客さまへ
トータルサービスを提供する
医療・福祉グループです。

文字サイズ
標準
背景色

採用情報

CLOSE

お役立ちコラム

医療トピックス

2017.3.23

シャントエコーについて

透析患者さま
巡回サポートセンター
課長 鈴木 安信

シャントは、手術によって動脈と静脈を人工的につなぐことで静脈に流れる血液の量を多くし、太くなった静脈に針を刺して透析に必要な血液を取り出せるようにしたものです。しかし、時間が経つにつれてシャントにはさまざまな変化(合併症)が起き、透析中にトラブルを生じることがあります。合併症としては血管の内部が狭くなり、血液が流れにくくなる狭窄がもっとも多く、そのほかに手指や腕の腫れ、瘤、感染などがあります。狭窄が原因で生じる透析中のトラブルには脱血不良、静脈圧の上昇、止血時間の延長、穿刺困難などがあげられます。これら合併症の状態やトラブルの原因を調べるための検査として超音波診断装置(エコー)を使ってのシャントエコー検査があります。

透析では1分間に200~250mlの血液を体内から取り出しています。1分間に200ml取り出すためには少なくともシャントに350ml/分程度の血流量が必要です。たとえば、血管の狭窄などによってシャントの血流量が少なくなり十分な血液を取り出せなくなる(脱血不良)トラブルが起きているとします。まずシャントを目で視て、血管に触れ、シャント音を聴きます。それからエコーで正確なシャント血流量を測定し、実際にどれくらい血流量が低下しているかを把握します。同時に血流の流れにくさを表す血管抵抗の値も測定します。これらの評価によってどこかにトラブルの原因があることを予測することができます。次にシャント血管の太さ、皮膚から血管までの深さ、走行などの状態をエコーで評価し、トラブルの原因を特定します。手術したすぐ上の血管がもっとも狭くなりやすく、放っておくと血管が詰まってしまう(閉塞)ことがあります。ですから変化により早く気付き、適切な評価を行うことがなにより大切です。

エコーはシャント血流量と血管の状態の両方をリアルタイムで評価することができる非常に有用な方法です。また、エコーによる痛みや副作用はありません。透析室のベッドサイドで行うことができ、時間は症例にもよりますがおおよそ20分前後です。

シャントは患者さまが透析を続けていく上でもっとも大切なパートナーであり、その状態は日々変化します。その変化を患者さまとスタッフがいっしょに管理することでトラブルを早く発見、早期治療につなげ、シャントを長持ちさせることができます。

シャントやエコーについて、気になることがあれば気軽にスタッフにご相談ください。